2024年5月の大洗-苫小牧航路(2)センカクアホウドリを求めて

2024年5月の大洗-苫小牧航路(2)センカクアホウドリを求めて

5/17~18 大洗苫小牧航路のとんぼ返りに行ってきました。

▼宮古沖。右舷が完全に順光になったと思われるタイミングで観察場所を左舷から右舷に移動すると、いきなりアホウドリが近距離で現れました。(Short-tailed Albatross)

▼しかも立て続けに2個体。両方とも若鳥でした。

▼さらに5分後、真っ白く輝く成鳥がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。
大洗苫小牧航路では、アホウドリとは別種とされる「センカクアホウドリ」がもしかしたら見られるんじゃないかと密かに狙っていました。
センカクアホウドリはアホウドリと比べて小柄で嘴が細長く、「金属リングやカラーリングが無い(=鳥島の個体ではない)」ことで判断されます。
なので、飛び立ってくれれば足環の状態が見えるのですが、この個体は願いもむなしく飛び立たないまま悠々と流れていきました。

▼それからまた十数分後、宮古・魹ヶ崎の沖合で水面から船首方向に飛び立つ成鳥が見られました。

▼足元を見ると、少なくともカラーリングはありません。しかし、成鳥なので長年のあいだにカラーリングは取れてしまったかもしれず、小さな金属リングの有無をよく見なければいけません。

▼八丈島で見た鳥島のアホウドリの写真を見ていただくと小さいながらも金属リングついていれば明確にわかりますが、今回の個体はいくら見ても金属リングの影も形もありません。
嘴の形状からもセンカクアホウドリとして良いだろうということで有識者の方にもご意見を頂くことができました。

▼いつか見られるかもしれないと思っていたセンカクアホウドリとの遭遇に熱を帯びる船上ですが落ち着くひまもなく、ふたたび20分後にアホウドリ若鳥が出現しました。

▼上と同一個体。アホウドリの個体数が増えていることは確かなので年々見やすくなっているとは思いますが、これだけ近距離で連続で出てくれるのは相当ラッキーです。往路11羽、復路5羽でした。

▼しばらく時間を置いて、尻屋崎に向かう青森沖にてアホウドリ成鳥。
センカクアホウドリも混じっているという目で見ていると、金属リングの有無という確実な証拠を得られないもののそれらしき個体は見られました。

▼上と同じ尻屋崎手前で出たこの個体の嘴の細長さには唖然としました。しかも左足のカラーリングはありません。金属リングの有無は確認できませんが、こちらもセンカクアホウドリとしても異論はなさそうです。

▼津軽海峡に入ると日本海側から迫る低気圧の強風がもろに船をあおり、しぶきが眼前を幕のように覆って海は大変な荒れようでした。

▼アホウドリ若鳥。この個体も嘴が華奢で胴体も下の鳥島アホウドリと比べると痩せている印象で、気になりました。

▼こちらは本日最後に登場した鳥島のアホウドリと考えられる幼鳥ですが、基部から嘴がまっすぐに太いのがわかります。

▼翌日18日の宮古沖で出た個体も嘴が細長く、片足は無装着なので可能性はあります。
大洗苫小牧航路でこれだけ多くのアホウドリが近距離で見られること自体が少なく、しかも両脚を確認できる機会はさらにまれなので、センカクアホウドリと断定できる個体が見られたのは極めて幸運なことでした。