スマトラ探鳥記 Birding in Sumatra(11)スマトラミヤマツグミ

スマトラ探鳥記 Birding in Sumatra(11)スマトラミヤマツグミ

2019年3月にインドネシアのスマトラ島にて探鳥しました。

5日目。この日はとにかく必死でした。13時にホテルをチェックアウトするのですが、その前に難関のスマトラ島固有種スマトラミヤマツグミ(Sumatran Cochoa)に挑戦することに決めていたのです。

スマトラミヤマツグミがいるのは標高2300m弱で、登山口から1時間かかる1850m地点のハイドからさらに2時間かかるといいます。

6時ごろ登山口を出発したとして往路3時間+復路3時間=計6時間かけて現地で観察もしたうえ、13時のチェックアウトに間に合うのでしょうか?しかも出現率は4割といいます。

挑戦者は2名。兎にも角にも時間勝負。木の根が張り出し、どんどん急坂になる登山道を、ポーター1名とサブガイド1名と我々2人で息を切らしながらかなりのハイペースで登っていきます。すると、登山口から3時間かかるはずのコースをなんと1時間半で登ることができました!

▼あとは鳥を探すだけ。サブガイドさんが巧みに声を探し当て、「もっと上にいそうだけど行くか?」と問うので「無論!」と、一部は段差が1メートルもあるような登山道をさらに登ります。そうしてたどり着いたポイントで待っていると、頭上に真っ黒な鳥が飛んできました。

▼やった!スマトラミヤマツグミだ!(Sumatran Cochoa)
普段の運動不足がたたって汗だくだく、肺から鉄分の味がするような状況でしたが、興奮に疲れを忘れました。

▼トラツグミのさえずりが強くなった感じで「ヒィーーー」と樹上でさえずり続けています。

▼ミヤマツグミの仲間は全般に見ることが難しいと聞いていたので、まさかばっちり写真が撮れるほどよく見えるとは思いませんでした。
ここまで引っ張ってくれたサブガイド&ポーター、スマトラミヤマツグミを見たいと熱心に主張してくれた旅仲間の方に感謝です。

▼下山のほうが足元が滑って危険とも言われていましたので、9時頃から降り始めました。
短めの白い眉毛が特徴のムネアカヒタキのオス(Snowy-browed Flycatcher)。

▼ムネアカヒタキのメス。帰り道は心も時間も余裕があったので他の鳥もチェックすることができました。

▼初めて見たミナミムシクイ(Mountain Leaf Warbler)。
全体的にかなり黄色みが強いので他のムシクイと見間違えることはなさそう。

▼休憩場で登山者からおやつをもらっているようで、すぐ近くまでやってきたクロシジュウカラ(Cinereous Tit)。

▼おやつを握って離さないリス。
意気揚々と進んだ下山は2時間で済み、11時には山麓で他の仲間と合流して13時のホテルのチェックアウトまでに無事に帰り着くことができました。