初見のヒメカモメ

初見のヒメカモメ

1/28 神栖市波崎でヒメカモメを観察しました。
 
 発端は、1月22日 に白鳥の里でヒメカモメと思われる鳥を見た、というSNSの書き込みでした。
 ヒメカモメは、1980年に北海道落石で国内初記録されて以来、全国で数件の記録があるもの見るのが非常に難しい迷鳥です。
 白鳥の里は、茨城県潮来市の北浦のほとりにあり、地元の方や遊びに来た家族が水鳥を間近に見ることができる憩いの場。数千羽のオナガガモが圧巻で、過去にはオオホシハジロの記録があります。

 24日にその書き込みの存在を知り、県内の知っている場所にとんでもない珍鳥が現れたと聞いては気になって仕方がなく、翌25日は最強寒波の襲来で路面凍結した危険な状況でしたが、昼間の暖かくなってきた頃を見計らってどうにか白鳥の里を訪れました。しかし、50羽弱のユリカモメ以外の小型カモメは見つかりません。
 情報には続きがあり、23日には波崎の漁港で見られたとのことでした。そこでさらに南下して漁港を確認し、利根川河口を茨城県側からざっと見てみますが、その日はカモメ自体が少なく、23日を最後に情報もないため雲をつかむような話だと思い、諦めて帰りました。

 ところが、その日の夕方にヒメカモメが目撃されたとの情報が舞い込んできました。探した場所よりさらに南の銚子の漁港です。さらに、その翌日26日も夕方に同じ場所で確認されたとのことでした。

 27日の夕方、銚子港は無慈悲な雨が降り続けていましたが、幻の小さなカモメを待つバーダーの車が小さな干潟を囲むようにして並んでいました。夕方に加工場の魚クズが流されると無数のユリカモメが集まってきますが、悪天候のなかの頑張りも虚しく、その姿を確認できた者は誰もいませんでした。

 そして28日、ヒメカモメがついに白昼の銚子港に姿を現したとの情報がバーダーの間を駆け巡りました。

▼リアルタイムのご連絡を頂き、午後遅くに波崎側に出たタイミングにどうにか間に合って、遂に初めてのヒメカモメを観察することができました。(Little Gull)

▼小型カモメのユリカモメと比べてもかなり小さいことがわかります。

▼色々投げ捨てて必死で到着したものの、最初10分弱はヒメカモメが行方不明になっていたので、三回目の挑戦でもダメかと相当焦りました。

▼奇しくも茨城県で見ることができたのは、県民としては嬉しいハプニングでした。

▼蝶々のような可憐な飛び方で、ウミツバメのごとく水面に触れるようにして採餌していました。

▼小さな赤い足に光が当たってよく見えます。

▼特徴をカモメ図鑑と見比べると第一回冬羽のようです。

▼個人的に、肩羽の爽やかなライトグレーと黒いM字模様が心の琴線にかなり触れました。

▼鳥自体が小さくて行動範囲も広いため、皆さんのご協力がなければこの日も見ることは叶わなかったでしょう。深謝です。(続く)