秋のタイ旅行記(2)Thai birding 鷹の渡りフェスティバル

秋のタイ旅行記(2)Thai birding 鷹の渡りフェスティバル

10/22 昨年の秋に訪れたタイの鷹の渡りツアーのもようです。

▼マレー半島のくびれた部分、チュンポーン県(Chumphon)の北部に位置する海沿いのカオディンソー(Khao Dinsor)に、鷹の渡り観察センターがあります。

▼絶好の鷹の渡りの観察ポイントである同地では、毎年秋にロシア~モンゴル~中国~日本などから繁殖を終えて渡ってくる鷹の群を見ることができ、ワンシーズンの総数は25万から50万羽にもなります。

▼ちょうど秋の鷹の渡りフェスティバルで盛り上がっているタイミングに合わせてお邪魔しました。
今は、シンボルにもなっているクロカッコウハヤブサの渡りの最盛期でもあります。

▼フェスティバルの会場から30分ほど急坂な道を登り、たどり着いた東屋に腰を据えて、上空を飛ぶ鷹たちを観察しました。ツミ。(Japanese Sparrowhawk)

▼ただでさえ識別の難しい猛禽類ですが、本州では見られない種類も混じっており、オン・ザ・ジョブ・トレーニングで覚えていくしかありません。翼の先が黒いアカハラダカ(Chinese Sparrowhawk)。ライファー。

▼クロカッコウハヤブサ(Black Baza)が飛んできました。定期的に十数から百羽の群れを形成して飛んできます。

▼クロカッコウハヤブサは、単体で見ると、驚くほど美しい鷹です。
今回の旅は、この鳥を見に来たと言っても過言ではありません。

▼下面はモノクロですが、背中は赤紫がかっています。
本日の総数1768羽のうち、735羽はこのクロカッコウハヤブサが占めていました。

▼尾が短めなのでツミ若鳥だと思います。この日は97羽も出ました。

▼アカハラダカ若鳥。アカハラダカはオスもメスも若も翼の先が黒いのでかなり分かりやすかったです。

▼スキハシコウの群れも渡っていきました。鷹以外にもサンショウクイやツバメの仲間などたくさんの鳥が渡っていくのを見ることができます。(Asian Openbill)

▼この日4羽しか見られなかったヒメクマタカ(Booted Eagle)。
総数のほとんどを占めるサシバやクロカッコウハヤブサの中にこうして珍しいものが登場すると、伝令のような声が聞こえてきて上を下への大騒ぎになります。

▼立て続けにヒマラヤノスリも渡っていきました。(Himalayan Buzzard)
昼前には炎天下となり、風のない東屋はじわじわと体の水分を奪われる危険な状況となっていました。
熱中症対策を万全にしていったのでどうにか乗り越えられましたが、水など持たずに不用意に行くのは危険です。

▼日本でもサシバの渡りが多く観察されていますが、こちらでも本日の1位は831羽通過のサシバでした。

▼鷹以外で最も渡っていたのがルリオハチクイで、本日は442羽でした。ライファー。

▼頭が小さく翼が広い、どこかで見たシルエットは、日本の鷹の渡りでもおなじみのハチクマです。(Oriental Honey-buzzard)

▼タイ版・野鳥の会の方々が毎日鷹の渡りをカウントして、こうして掲示板やFacebookに掲載してくれます。
山を降りてからこの掲示板を眺め、アイスを食べながら「明日はどんなレア鷹、大群と出会えるかな」とワクワクするのです。