涸沼でレンカク発見!

涸沼でレンカク発見!

7/7 涸沼でレンカクを自力発見する幸運に恵まれました。2日+の短い滞在でした。

その日は、連日の雨の合間を縫って涸沼を一周、予想どおり鳥影が少なく、げんなりしつつ帰路につきました。
最後に、午前中は除草作業で入れなかった水田を見ていこうと、最後の気合を絞り出して立ち寄りました。

▼しばらく水田を見ていると、正面の車窓から大きなセグロセキレイのような何かがひらっと飛ぶのが見え・・・反射的に「レンカクだ!」と叫んでいました。
とにかく証拠写真をと、心臓の高鳴りを抑えながら撮った一枚です。

▼レンカクは、東南アジアから中国南部に生息する鳥で、関東ではかなりまれな迷鳥です。(Pheasant-tailed Jacana)
折からの強い南風にあおられて不時着したようで、まだ短い苗の水田のなかを右往左往していました。

▼レンカクは、海外でゴマ粒サイズで見せて頂いたことがありますが、国内では初めてでライファーといえます。

▼また、今回ありがたいことに20メートルほどの距離で観察でき、極楽鳥のようなレンカク夏羽の美しい金色のたてがみや長い尾羽根をじっくり見ることができました。

▼涸沼でレンカクといえば伝説的な観察記録があったと思い、家に帰って調べると、ちょうど50年前の1970年の7月12日に故・N先生が涸沼でレンカク県内初記録を残していました。しかも場所は道を挟んですぐ隣で、時期もほぼ一緒で、やはり夏羽です。

▼レンカクの渡りの時期、渡りのルート、荒天のタイミング、それらが一致したのでしょうか。
この時期の涸沼というのは、かなり鳥が見えなくて厳しい時期なので、今までもひそかに渡来していたとしても見逃されていた可能性は大いにあります。

▼「日本の渡り鳥観察ガイド」によりますと、本来は南方系のレンカクは、地球温暖化の影響で日本への飛来数が増加傾向にあるそうです。初記録以降、近年の県内では稲敷や神栖などで数回記録されています。

▼とはいえ、自分で発見できるとは夢にも思っていなかったので、その日は興奮冷めやらぬという感じでした。
しばらく、レンカクと自分だけが存在する不思議なシチュエーションを味わい、現場をあとにしました。