小笠原探鳥記(1)~夜明けのアカアシカツオドリ

小笠原探鳥記(1)~夜明けのアカアシカツオドリ

9/14~19 初めて小笠原を訪れ、探鳥しました。

8月に予定していた小笠原ツアーが連日の台風でキャンセルとなり意気消沈していたところ、ありがたいことに9月のツアーに誘って頂き、念願の小笠原デビューを果たすことができました。

▼14日、竹芝桟橋を11時に出発し、父島に11時に到着するので24時間の船旅になります。
11:45 東京湾のアジサシの群れやアカエリヒレアシシギの群れ(Red-necked Phalarope 写真)が見えました。

▼14:17 オオミズナギドリばかりだった海に、ライファーのハジロミズナギドリが登場しました。ぜひ見たかった美しいモノトーンの翼下面が見られました。(Providence Petrel)

この後、日が落ちるにつれ、船は秋雨前線に突入して波飛沫と揺れが激しくなっていきました。
そんな中、目の早い方の一声に船上に緊張が走りました。灰色の海を必死で見ると、オオミズナギドリの間を抜くように水平線下を小型のミズナギドリが海上すれすれを小刻みに左右に体を振りながら飛んでいます。「なんだあれは!?」
見失って写真は撮れませんでしたが、かなりレアなヒメシロハラミズナギドリ(Stejneger’s Petrel)だということでした。とりあえず見たのでライファー?
それからは廊下もまっすぐ歩けないほどの揺れに夜にはすっかり船酔いしてしまい、夕飯も食べられないまま追加の酔い止めを飲んで爆睡しました。


▼15日、朝5時半から船体の右側で航路探鳥開始です。昨晩のようなうねった波は消えていました。
すぐにアカアシカツオドリが船についてくれました。夜明けの色に染まっています。(Red-footed Booby)

▼同じアカアシカツオドリの若鳥が2時間経ってもついています。船が通ると進行方向からトビウオが逃げ飛ぶのでそれを狙っているのです。

▼小笠原周辺の海域に入ってくると、あれだけいたオオミズナギドリが消え、オナガミズナギドリに替わりました。ライファーです。(Wedge-tailed Shearwater *Wedge=くさび型)

▼違和感をおぼえて撮影した個体がライファーのシロハラミズナギドリでした。しかし、もっと見られるかと思ったシロハラミズナギドリはほとんど見られず、仲間内ではっきり見られた個体はいなかったような気がします。(Bonin Petrel *Bonin=小笠原のこと)

▼さて、朝からずっとショータイムのように見られたカツオドリの写真を載せていきたいと思います。(Brown Booby)

▼前述のアカアシカツオドリと同時にカツオドリも現れ、船首方向から出るトビウオに向かって次々と飛び込んだり、他の仲間が獲ったトビウオを横取りしたりする様子が見られました。

▼カツオドリの名ハンターぶりを見ながら、トビウオも飛ばなければ獲られまい、と思わずにはいられませんでした…。

▼眼の前のカツオドリに夢中になっていると他の遠くのミズナギドリ類がおろそかになってしまうのですが、面白いのでどうしても目がそっちにいってしまいました。