西パプア探鳥記   West Papua(8)アカミノフウチョウ

西パプア探鳥記 West Papua(8)アカミノフウチョウ

2017/9月、インドネシアの西パプア・ワイゲオ島の野鳥シリーズです。

今回はワイゲオ島を代表する、この旅行の一番のターゲットバード・アカミノフウチョウです。

▼ワイゲオ島と隣の島にしかいない、極楽鳥の中でも特に珍奇な姿をしたアカミノフウチョウ(Wilson’s Bird-of-paradise)。
ワイゲオ島に来てこのWilsonが目的ではない人はいないでしょう。
とにかく見たくて見たくて仕方がなかったのですが、想像以上にチャンスが少なくて一時はもうダメかと思いました。


1回目、朝4時半に宿を出て現地に向かいますが、乗り込んだ2台目の車が先行車の行き先を見失い、分岐点で立ち往生。
結局、先行車が折り返してくるのを待つことになりました。

これを車で行けるのかという急傾斜で深い溝のある道を四駆車でメキメキと登っていき、辿り着いた真っ暗な森の道をヘッドライトで足元を照らしながら10分ほど進むと、観察用ハイドが見えてきました。

2つあるハイドのうち、離れの小さなハイドに入りました。
今まで体験したハイドは、水場があったり餌が撒いてあったりしたものですが、ここには何もありません。
ガイドさんは、静かにして待っていれば大丈夫という態度なのですが、他の鳥の気配もほとんど無く、時が過ぎていくばかりで、別のハイドの様子もわからないことから必要以上に不安に駆られます。

▼7時10分頃、足場も悪いことから疲れて座り込んでいると、メンバーの方が「なにかいるわよ!」と小さく叫んで教えて下さいました。
まさか…と思い、ハイドの穴を覗くと、ゲッ!アカミノフウチョウ!!
ところが一瞬で飛び去ってしまい、まともに撮れたのがこの1枚。
その後、別のハイドではよく出ていたそうなのですが、こちらでは残念ながらそれ以降出なかったため、小さなハイドの面々を中心に2日後にリベンジに向かいました。

▼最後のチャンスとなる2度目の挑戦、前回と同じように早朝からスタンバっていると、やはり7時前後に出てきました。
出てきた時は「あ~良かった、これで心残りなく帰れる!」という安堵感でいっぱいになりました。

▼撮影の難易度は高く、とても暗い中でカラフルな色乗りを出すため、ISO8000にして1/40秒、ブレが止まることを祈って連射しました。

▼どうにか頭の水色の部分のシワまで撮れたので大満足です。

▼暗いジメジメとした森の中で、夜のネオンサインのように輝く原色。

▼蚊取り線香のような尾羽根がプルプルと小刻みに揺れています。

▼足は紫がかった濃い青色で、すみずみまでおしゃれに余念がありません。

▼ところで、何もないところにほぼ同じ時間に必ず現れるのはどうしてなのか?
実はここはアカミノフウチョウのレック(求愛の舞台)で、朝5時頃にガイドさんがそこに枯れ葉を散らしてわざと汚しておくと、舞台をきれいに掃除するために地面に降りてくるという仕掛けなのでした。写真は、枯れ葉を投げ飛ばしているところ。

▼右側に親指ほどの太さのヤスデが落ちていましたが、さすがにどうにもできませんでした。

▼これだけのファッショニスタ(おしゃれに敏感な人)で、掃除も徹底的というマメさ。

▼今日もワイゲオ島では朝早くからアカミノフウチョウがどこかの地面を掃除している…そう思うと元気が湧いてくる今日このごろです。

▼掃除を終えると、満足気に木の上に上がってさえずったり、胸の緑色の部分を広げたりしていました。