伊豆沼・蕪栗沼(2)~マガンの塒入り

伊豆沼・蕪栗沼(2)~マガンの塒入り

11/14-15 宮城県の伊豆沼・蕪栗沼を訪ねました。

▼休憩場所の近くの田畑の電線にミヤマガラスが留まっていました。鼻のあたりが白っぽい成鳥が中心。

▼その後、蕪栗沼の堤防に移動し、マガンの塒入りウォッチングに向けてスタンバイしました。ふと後ろを見ると、田んぼの向こうから竿のような編隊を組んだ信じられない数のマガンが飛んできています。

▼それらのマガンが蕪栗沼の手前の白鳥地区に所狭しと降りていきます。
かつて水田として利用されていた白鳥地区は、1997年から湿地へと復元され、マガンの塒はさらに拡大されました。そのことを本で読み素晴らしい決断に感動したことがあったので実際に見られてよかったです。

▼時折なにかをきっかけに一気にほとんどの個体が飛び立ち、沼の上空をおびただしい数のマガンが旋回。

▼しばらくするとそれらがすべて再び沼に集約されていく、という行動を繰り返していました。

▼蕪栗沼の脇のカウントボードにはだいたい10万羽と書いてありました。伊豆沼にも8万羽ほどいるそうなので、まあ…とにかくとんでもない数です。白鳥地区もすでにキャパオーバーの様相を呈してきています。

▼マガンとは少し離れたところにオオヒシクイの姿もありました。

▼オオヒシクイはマガンと鳴き声が違い、「ガハー」という咳き込むような声だということです。一部白化した個体が混ざっていました。

▼大混雑の沼の中に、ひっそりとヘラサギもいました。(Eurasian Spoonbill)

▼初めて見るマガンの塒入りは、その数にも圧倒されましたが、一番胸を打ったのはいわゆる「落雁」という光景でした。

▼落雁というのは、マガンが上空から沼へと、はらはらと木の葉が舞い落ちるように錐揉み状態になって降りる様子を指します。

▼端正な列を作って飛んできたマガンが、片端から身を投げるようにして沼へと吸い込まれていく、どこか儚げでドラマティックな光景に昔の人も心動かされたに違いありません。