ネパールの野鳥 Birds in Nepal (10)

ネパールの野鳥 Birds in Nepal (10)

11月のネパールの野鳥シリーズです。

▼チトワン国立公園(Chitwan National Park)を巡るにあたって最も気をつけなければいけない存在について書きます。
それは「サイ(Greater One-horned Rhinoceros)」と「ベンガルトラ(Bengal Tiger)」です。
両方とも絶滅危惧種であり、丁重に保護されていますが、人間と鉢合わせしたら命の危険を伴う存在です。

オス同士の争いの折、車道を駆け回るサイ。その勢いはまるで暴走車のようだ。

▼サイは普段は温厚ですが、赤や白や黄色など派手な色や蛍光色に興奮しやすく攻撃を受けることがあるということで、カラフルなアウトドアウェアなどはガイドさんのアドバイスを受けて目立たないよう工夫したり、メンバーの身なりをお互いチェックしたりと、妙な緊張感がありました。

ホテルからサイウォッチング

▼ベンガルトラに関しては、運良くというか運悪くというかその姿を見ることはありませんでしたが、国立公園を管理する軍のチェックポイントで「この先ではトラが出ている」と言われ、ジープで林道を爆走してトラに出会わないように気をつけたり、ジープから降りて鳥を探すときもうっかり出会わないことを祈ったりしました。

胸や腹まで真っ黒のクロノビタキ Pied Bushchat

▼午後は、サイもトラも近づいてこない最強生物・ゾウに乗って鳥を探しました。
人が入れないような深い草原を歩いていると、足元からシロアゴヨタカ(Savanna Nightjar)が飛び出し、翼の白い斑点がばっちり見えました。
ゾウはそれを全速力で追ってくれたのですが、他のゾウにも追われていたヨタカは命からがらどこかへ逃げてしまいました(当たり前・笑)。

ゾウに乗って安全に湿地を縦断

▼ゾウの上はあまりにも揺れるのでとても鳥を撮影できる状況ではありませんでしたが、たまに気になる鳥がいるとゾウが停止してくれ、撮影することができました。他にもゾウは、水の中も構わず進んでくれたり、林の中で乗客の頭にぶつかりそうな枝があると鼻を使って折ってから進んでくれたり、かなり頼りになる存在でした。他のゾウに乗った方は、サイの親子を見ることができたそうです。
ゾウに乗って探鳥するという貴重で愉快な体験ができ、笑いの絶えない楽しいひとときでした。

素早かったけどゾウから撮影できて妙に嬉しいアカガシラチメドリ Chestnut-capped Babbler

※以下、ギャラリーです。クリックしてご覧下さい。